創業した平成5年(1993年)は、バブルのはじけた大不況の年でした。不況しらずと言われたコンピュータ業界でも歴史上初めての大不況を経験し、特にソフト業界では雇用調整支援が行われる程、厳しい年でありました。
そんな年にソフト会社を興したわけでありますが、それは文字通り、大海の荒波に小舟を漕ぎ出すような状況でした。 私は、富士通から優秀なSEを連れ出す代わりに富士通の現行オフコンユーザには一切手をつけないという富士通との暗黙の取り決めをし、顧客開拓は一からという当然ながら厳しい環境で出発しました。
当時、営業経験のまったく無いSEが営業活動を行ったわけですが、いくら優秀なSEでもお客様の信頼を得られませんでした。「いつ潰れるかも分からない創業直後のソフト会社には当社のシステム開発は委託できない」と言われ、なかなか受注を戴けず、本当に大変な出発でした。
この厳しい状況の中で私達は、商売の難しさやお客様の大切さを身をもって知り、「企業は受注に始まる」との教訓を得ました。
これは今でも、アスコットの社員全員にとって、創業精神を忘れないための教訓となっています。
@「SEが優秀なだけでは勝負に勝てない」
A「信用力の無い、名もなき会社には仕事は戴けない」
という二点がアスコットが「ベンチャー企業」として展開するため、さらには勝ち進むための経営課題となったわけであります。 次へ ≫