まず取り上げたのが「消費財卸売業向けのパッケージソフト」です。
平成6年に、ある中堅消費財卸売業(A社)から業務改善(BPR)コンサルの要請をうけ、約半年間にわたってシステム診断分析を行いました。システム診断をしながら、消費財卸の生き残りのためのあるべきビジネスモデルを研究し、その結果、卸売業は情報武装型卸に変身せねばならないという結論に至りました。そして、そのための情報システムの具体的提案をしました。
翌年(平成7年)に、ある経営コンサルタントの先生を通じて、消費財卸8社の経営者から、「現在のオフコンシステムは、非常にレベルが低く、このままでは、我々、卸売業はつぶれてしまう。『消費財卸売業生き残りのためのシステム』を開発して欲しい」という話が舞い込んできました。
前年の、A社に提案したシステムポイントをベースに、この8社に対して、システム提案を行ったところ、「それを是非システム化して欲しい。これが欲しかったんだ。」と非常に高い評価を受けました。
その後、8社との共同ミーティングを重ね、各社が共通で使えるパッケージソフトとして詳細要件を詰めていきました。当然ながら、開発費用は多額のものとなりましたが、この時、中小企業金融公庫殿の「新事業育成貸付制度」があることを知り、その申請をしたところ、無事採択され、超低金利融資を受けることができました。その後、2年の歳月をかけて開発を行い、「ASPAC−消費財卸(戦略的卸売業向け総合情報システム)」として、平成8年にリリースすることができました。
完成した「ASPAC-消費財卸」は従来の一般的な「販売管理ソフト」とは異なり、消費財卸売業が必要とする
@リテール(小売店)サポート、つまり売れ筋商品情報の提供と売り場棚提案を行う機能
A小売-卸売-メーカ間のEOS・EDIによるオンライン垂直連携機能
B検品不要のローコスト物流機能
C在庫管理の徹底
D適正利益確保のための原価計算機能
E売上・仕入実績データ分析機能
等を備えた、消費財卸売企業の生き残りのための経営課題を解決できる、いわゆる業種特化のソリューションソフトです。
上記の8社に導入していただいたのは勿論ですが、本ソフトが、日刊工業新聞社の目にとまり、平成8年11月に、「流通システム大賞 奨励賞」をいただき、全国的に評価されることとなりました。これにより、スーパーマーケット、ドラッグストア等の小売業に商品を納入する日用雑貨品卸売業、生活用品(金物)卸売業、化粧品卸売業等の、正に、消費財卸売業から、システム商談が、当社に飛び込んでくるようになりました。
商談としては、本パッケージソフトの導入企業や経営コンサルタントの先生、ITコーディネータの方々から多くのお客様のご紹介をいただいています。
また、卸売り業界向けセミナーの実施により、多くのお客様の開拓ができました。 そしてASPACの良さとシステム導入の実績から、全国家庭用品卸商業協同組合殿、プラネット殿、全国理美容製造者協会殿からは、業界推奨ソフトとしての指定を受けるにいたりました。
平成21年で開発から13年経ち、導入ユーザ数は100社を超えました。
この数多くのお客様からたくさんのことを学び、機能アップを図ってきましたが、今日では卸売業界のオンリーワンソフトとなっています。
これらのことが評価され、平成21年10月に経済産業省から『情報化促進貢献賞』を受賞しました。 次へ ≫